犬がご飯を丸呑みしちゃうのは、実はちゃんとした事情があるんだ。
僕たちの歯には、人間の歯のようにものをすりつぶす機能がついていなくて、飲み込めるだけの大きさまで噛むことしかできないんだ。
だから、完全に「丸呑み」というよりも、どちらかというと「飲めるサイズまで噛む」というのが僕らの正しい食べ方。これが飼い主さんにとっては、丸ごと飲み込んでいるように見えているんだね。
ご飯をほとんど噛まないで飲んでしまう子もたまにはいるけれど、基本的にお腹がすいている時は噛むことを忘れがち。
対処法のその1としては、「定期的にご飯を与える」こと。僕らが空腹になりすぎないように、ご飯の量は体格や体重に見合った量をきちんと量って、一日の中で決まった分だけ与えてくれたらいいな。
対処法のその2は、ご飯を飲み込めるサイズまで小さくするという方法。ドッグフードは元々小さい粒だけれど、一度に大量に飲み込むと大きな塊になってしまう。手作りご飯も、山盛りに盛ってくれるのは嬉しいけれど、そうなると僕らはついつい勢いよく食いついてしまう。
なので、「早食い」と「丸呑み」の同時進行を避けるためにも、適量を少しずつ与えながら食べさせてあげてみてほしいな。
さっきも言ったとおり、ドッグフードは小さい粒だからといってどんどん飲み込んでしまうと、胃の中で大きな塊になって消化不良になる危険があるんだ。だから、少量(数粒)ずつ食べさせて、味わってもらいながら食べさせるようにしてみてね。
ちなみに、ドライフードは手作りご飯やウェットフードに比べて硬さがあるので、早食いによる消化不良が気になる場合は、ちょっとだけふやかすのも一つの方法。飲み込みがうまくできない子犬や老犬には特に効果的な方法だよ。
ふやかしてあることで喉ごしが良くなるので、飲み込みがしやすくなって、さらに消化にも良くなり一石二鳥。ただし熱々のお湯でふやかすと火傷をしてしまうので、少し冷ましたりしてからご飯として与えてあげてね。
一度早食いの習慣がついてしまうと、僕らは自制がききにくくなって、いつもスピード感たっぷりに食べるようになる。これは野生の本能が関係しているとも言われているし、空腹やストレスを紛らわせたりといった意味もある。
早食い&丸呑みが気になる飼い主さんは、ぜひ愛犬の一日を振り返ってみて、ストレスを与えていないか?おやつを適度にあげているか?食事量は足りているか?などを考えてみてほしいな。
あとは、ゆったりと落ち着いて食べられる環境をつくること。犬は意外にデリケートな生き物で、飼い主さんたち家族のことをよく見ているんだ。
他のペットと同居(複数飼い)していたり、猫やウサギなど種類の違うペットが同じ環境にいると、コミュニケーションが得意な僕らでも少し遠慮がちになる。
周りが騒がしかったり、落ち着けない環境だと、「早く食べなくちゃ」という本能が働くようになるので、早食いの習慣がついてしまったりもするよ。
できれば、愛犬が一人で人目を気にせずに食事ができるような環境があると、その子にとっては「至福の時間」になって、落ち着いて食べられるようになるかもしれないな。
対処法その4として最後におすすめしたいのは、さまざまな「早食い防止グッズ」を使うという方法。
一定量が出てくる給餌器はその代表で、飼い主さんが自分で加減しなくてもちょっとずつご飯が出てくるという仕組みになっている。だから僕らは自然と、ご飯を味わいながら待てるようになるんだ。
給餌器にもいろいろな種類があるけれど、愛犬の体格に合ったサイズで、給餌量が調節できるものを選んでみたり、「早食い防止食器」を使ってみるのも一つの方法だよ。