ここでは、犬や猫が病気になった時に食べさせてほしい食事について紹介しています。
手作りご飯のレシピとは直接関係がありませんが、これはぜひ飼い主さんたちにお伝えしたいことです。
実は、手作りご飯を食べている仲間たちのほうが、病気になった時により早く見つけてもらいやすいんです。
いろんな理由はあると思いますが、やはりいろんなごはんを食べていることで、残したりお腹の具合が悪くなったりするときに早く発見することができるんだと思います。
「病気になったらフードは市販のほうがいい」「お医者さんが勧めるフードにするべき」っていう考え方もあるみたい。
でも、それって結構心配?いつもと違う体調で苦しいのに、ご飯まで変わってしまったら、食べる方にとってはストレスがさらに増えることに繋がると思うんです。
それよりも、病気のときに積極的に取るべき栄養素と、避けるべき栄養素をしっかりチェックしてもらって、ご主人様の手作りご飯を食べたほうが僕たち犬も猫ちゃんたちも絶対に安心できるのではないでしょうか。
手作りご飯っていうご主人様との絆を切ってしまうと、飲まなくちゃいけない薬も飲めなかったり、わがままが増えてしまうかもしれません。
だからここでは、病気の時に取るべき栄養と、避けるべき栄養を考慮した症状別のレシピをご主人様に考えてもらいました。みんなも参考にしてみてください。
犬の糖尿病治療は、人間と同じく血糖値を上手にコントロールすることが大切です。 いわゆる食事療法と呼ばれる方法で、おやつを与える代わりに薄めの味付けに整えた食事を小分けにして与えるなど、食事の管理が基本となります。 炭水化物が含まれた食事に食物繊維を混ぜ込んでおくと、「しっかり食べた」と満腹感が生まれ、排便管理にもつながります。
癌にかかった犬への食事療法としては、免疫をつけさせてあげることが第一です。しっかりと体力をつけて延命できるように、愛犬の好きなものを食事にプラスしてあげましょう。 好きなものだけに偏りすぎてはいけませんが、癌が進行して痩せてしまった犬に対しては、体力をしっかりとつけてもらうことがポイントになります。
肝臓に疾患を持つ犬の場合、食欲が減退しやすい傾向にあります。肝臓病の種類や進行度にもよりますが、基本的に良質なタンパク質を含むものを与えるようにしましょう。 ドッグフードのほかに、人間用の大豆やにんじん、リンゴ、キャベツなどを使った手作り食も喜ばれます。
肝不全を起こしている場合は、タンパク質の量を適切に制限する必要があります。通常のドッグフードではなく肝臓病用のものが使われる場合もあります。 手作り食についても、良質なタンパク質を含むものを使用するように医師から指示されるケースがあります。 肝不全の進行状況にもよりますので、動物病院の医師に相談し、どの程度の栄養素が必要かを聞きながら調整していくと良いでしょう。
犬の胆泥症に対しては、肥満の元となるコレステロールを抑えた食事がもっとも大切です。 身体機能の調節に必要なアミノ酸などの栄養素については、通常通り与えて問題ありません。 猫の胆嚢炎については、病気を引き起こしている原因にもよりますが、濃い味の食事を避け、おやつの与えすぎを止めて、良質なタンパク質を与えることがポイントになります。
アレルギーやアトピーを患う犬に対しては、免疫力をしっかりとつけさせてあげること、アレルゲンとなっている原因から遠ざけることの2点が重要です。 アレルゲンが食品に含まれる添加物である場合、アレルギーフリーのドッグフードや無添加の食材で作った手作り食などがおすすめです。
口内炎や歯肉炎など口腔内のトラブルを抱える犬については、炎症がひどい場合は咀嚼のしやすい柔らかいドッグフード、もしくは柔らかく煮込んだ手作り食を与えます。 動物病院での治療を行い、次第に炎症が治まってくれば固形物も食べられるようになりますが、少し柔らかい食感のものから食べさせてあげると良いでしょう。
関節炎を患っている犬への食事には、良質な筋肉をつくる動物性タンパク質のほか、コンドロイチンやグルコサミンなど、関節炎に一定の効果が認められている成分を摂取させるのが効果的です。 動物病院で診察を受ければ、食事に混ぜるためのグルコサミン・コンドロイチン粉末やタブレットを処方してもらえますので、フードに混ぜ込んで使うと良いでしょう。
目やにについては原因に諸説ありますが、粗悪なフードや添加物などが原因となっている場合、良質なフードや無添加食材を使った手作り食などで改善が期待できます。(持って生まれた体質により、目やにが出やすい犬種もいます)
肝臓病の末期症状である肝硬変の場合、食事と運動のバランスが基本となります。 食事には消化の良いものを与えるようにし、カロリーの多いものは避けましょう。必要に応じて投薬治療などの対症療法を行い、獣医師と相談のうえでその時々の状態に合わせて必要な栄養素を摂らせるようにします。 おやつの与えすぎや栄養の摂り過ぎは肝硬変をさらに悪化させる原因となりますので、食事療法によってバランスの摂れた食事を心がけ、運動も必要なぶんだけしっかりと行うことが大切です。
慢性肝炎・急性肝炎の際の食事としては、副腎皮質ステロイド療法、免疫抑制剤療法などの治療法が有効となりますが、食事療法も一つの治療方法となります。 慢性肝炎の場合、すでに高アンモニア血症と診断された場合はタンパク質の制限が必須であり、肝臓病用の療法食を使うようにします。 高アンモニア血症でない場合は通常の食事のままで良く、手作り食を食べさせても問題はありません。
脂肪肝の犬に対しては、肝臓病食と同じくコレステロールの少ない食事が中心となります。 脂質の多い食材は避け、ドッグフードも脂肪の少ないものに替えるなどして様子を見ましょう。人間用の食品やおやつの与えすぎも脂肪肝を悪化させる原因となりますので、与えすぎは控えましょう。
アジソン病は急性と慢性にわかれていて副腎皮質ホルモンの分泌が低下することで起こります。かかりやすい犬種や、初期症状を知っておきましょう。アジソン病の食事は基本、カリウムが少ない食事をすること。たんぱく質もなるべく少なく抑え、ナトリウムは増やしてあげるなど工夫が必要です。
犬の熱中症や夏バテへの対応は、基本的に人間における対応と同じです。水分をしっかりと摂らせるとともに、十分な栄養素を含む食材を選ぶことが大事。理想的な食材はトマトです。犬が食べやすいサイズにトマトをカットして、普段の食事の中に混ぜてあげましょう。
また、犬にとっては、熱中症や夏バテに負けない体作りも大事なポイント。体の材料となっているものはタンパク質なので、消化の良い動物性のタンパク質をしっかりと摂らせるようにしてください。
膵炎の症状を少しでも早く改善させるためには、日常の食事管理が非常に重要なポイントとなってきます。特に注意すべきポイントは、脂肪の多い食事を避けること。膵炎によって膵臓の機能が低下している時には、脂肪の代謝が難しくなります。膵臓に負担を与えないためにも、なるべく脂肪の少ない食事を選ぶようにしてください。
また、膵炎を生じた犬の中には、糖尿病を併発している例も見られます。糖尿病の犬の血糖値が急上昇すると命にも関わるため、糖質・炭水化物の多い食材は極力避けるようにしてください。
腎不全の食事は、体への負担を抑えることが大切。その上で、体に必要な栄養素を選びましょう。タンパク質やビタミンB群が体内から排出されやすく、脱水症状を起こしやすいため、一般的なドライフードよりも手作りのスープご飯などと、腎臓病専用フードを併用するのがおすすめ。手作りご飯を与える場合は、塩分量にも気をつけましょう。
下痢の原因は、水分のとりすぎや食べ過ぎ、ストレス、伝染病などさまざま。犬が下痢をした時は、場合によっては命に関わることもあるので、便の質を注意深く観察することが大切です。成犬の下痢は、半日程度絶食するのがおすすめ。絶食後は、ふやかすなどして柔らかくしたご飯を与えましょう。また脱水を防ぐため、こまめに水分を与えることも忘れないようにご注意ください!
トイレの回数が増えたり、逆に尿が出なかったり、食欲が落ちたりしている場合は、尿路結石が原因の場合があります。尿路結石はタンパク質の摂りすぎや偏食など、バランスの悪い食事が原因になっていることも。犬の尿路結石では、水分を多く与えることと、ミネラルバランスの良い食事がおすすめです。ただし、結石の種類によって食事内容が異なるので、まずは病院で相談しましょう。
椎間板ヘルニアになりやすい犬種は、ミニチュア・ダックスフンドやシーズー、コーギー、ペキニーズなどの「軟骨異栄養症性犬種」。2〜7歳ごろに発症する確率が高い病気です。椎間板ヘルニアを発症すると、激しい動きを抑える必要があるため、肥満にならないよう、カロリーコントロールが大切。栄養管理と適度な運動で、予防も可能です。
加齢や遺伝が原因で発症する白内障。見た目でわかるケースの他に、初期のころではあれば、つまずきや壁にぶつかるなどの行動からわかることもあります。白内障の犬には、ミネラルやビタミンを多く含んだ食材がおすすめ。糖尿病の合併症による白内障は、食生活を見直すことも大切です。特にビタミン類は、抗酸化作用や血行を良くしてくれる働きも期待できます。
激しく頭を振る、耳が腫れている、耳の匂いがきついなどの場合、外耳炎の可能性も。犬の外耳炎の予防には、普段のケアが重要です。病気に強い体を作るには、免疫力をアップする食事がおすすめ。「βグルカン」「食物繊維」「オメガ3脂肪酸」を含むフードや手作りご飯などで工夫することが、犬の健康維持につながります。
下痢や嘔吐をしたり、食欲がなかったり、鼻水が出たりする場合は、犬の風邪かもしれません。ウイルス性の風邪は、肺炎や気管支炎など、症状が重くなることも。症状が重い場合は、すぐに病院を受診しましょう。症状が軽い場合は、栄養バランスの良いご飯を与え、体を暖かくして、なるべく安静に過ごさせてあげることが大切です。
体が弱っている状態の時に、細菌やウイルスによって起こる肺炎。肺炎を予防するには、普段から病気に負けない体を作る、バランスの取れた食事を与えることが大切です。なるべく栄養価の高い食材を、一般的なフードにトッピングするのもおすすめ。ささみやむね肉は高タンパクで消化が良く、キャベツはビタミンや食物繊維が豊富なため、おすすめの食材です。
腸閉塞は人間だけでなく、犬もかかる病気です。食欲が落ちたり、下痢や便秘気味だったり、脱水症状や嘔吐が見られたら、早めに病院で診てもらいましょう。犬の腸閉塞は、誤飲が原因の場合もあるので、アクセサリーやクリップなど、犬が飲み込んでしまいそうなものを片付け、部屋をきれいに保つことが大切。普段の食生活にも気を配りましょう。
成犬からシニア犬まで、年齢にかかわらずかかる可能性がある膀胱炎。慢性化しやすく、放置すると他の病気を併発する恐れもあります。膀胱炎は、結石と細菌感染が原因になることが多く、加齢やトイレの我慢のしすぎによって発症することも。水分をたっぷり与えて、結石の原因になるミネラルを多く含む食材は与えないようにしましょう。
緑内障は人間だけでなく、犬にとっても怖い病気。目を擦ったり、目が赤く見えたり、涙が多く、目やにの量が異常だったりなどの症状が見られたら、緑内障の初期症状かもしれません。緑内障が進行すると、目に痛みを伴い、末期では目が完全に見えなくなってしまいます。少しでも異変を感じたら、早く獣医師に相談することが大切です。
犬が運動を嫌がったり、咳症状が見られたりする場合には、心臓病の可能性も。舌の色が紫色になったり、苦しそうに息をしていたりしたら、かなりの重症です。心臓病の犬の食事は、バランスが大切。高タンパクなささみやジャーキーであっても、与えすぎると栄養バランスが崩れてしまいます。心臓病の度合いによって食事の内容も変わるので、まずは動物病院で相談しましょう。
脳腫瘍は、できる場所によって症状が変わります。反応が鈍くなったり、後ろ足がふらついたり、目や顔、首、歩き方、精神面にまで、さまざまな症状が現れます。脳腫瘍になりやすい犬種は、ゴールデン・レトリーバーや、ブルドッグなど。脳腫瘍を予防するには、日頃から良質な脂質をとったり、糖質制限をしたりなど、食事に気を付けることが大切です。
去勢していない高齢のオス犬に多い前立腺肥大。遺伝や生活習慣によって、発症する可能性があるといわれています。血尿や頻尿、便秘や嘔吐など、一目で前立腺肥大とわかる症状はないため、発見が遅れることも少なくありません。前立腺肥大を予防するには去勢手術を行うのが一番ですが、手術を避けたい場合は、普段から愛犬の様子をしっかりチェックしましょう。
てんかんの原因はストレスや脳腫瘍、他の病気との併発、遺伝性などさまざまで、わからない場合がほとんど。てんかんが原因で死に至るケースは少ないものの、日常的に発作が起こるため、注意が必要な病気です。てんかんには、治療と一緒に「抗酸化物質」「ミトコンドリア補因子」「オメガ3脂肪酸」などを取り入れた食事療法を行うのがおすすめです。
喘息による発作は、気管支炎とは違い、30分程度で正常に戻ります。犬の喘息の原因は、アレルギーによるものがほとんど。その他の原因には、ストレスや感染症などがあります。喘息の食事は、食材にアレルゲンを持つ犬の場合、特定したアレルゲンが使われていないフードや手作りご飯などがおすすめ。健康食品を取り入れる場合も、原材料に注意しましょう。
白血病には、急性・慢性があり、症状にも違いがあります。急性白血病の場合は、発熱や食欲低下、免疫力の低下、出血傾向などの症状があるのに対し、慢性白血病は、初期の段階ではほとんど症状が見られないのが特徴。予防法も解明されておらず、普段から免疫力をアップさせる食事やサプリメントを与えたり、適度な運動をしたりなど、ストレスをためないことが大切です。
歯周病は、歯周病菌によって歯茎が炎症し、赤みや歯のぐらつき、口の痛みなどの症状を起こす歯の病気です。重症化すると硬いものが噛めなくなり、食事が困難になるほか、他の病気を併発する恐れも。歯周病を予防するには、生の食事を与えることが大切です。ただし、生肉は寄生虫や食中毒などの危険もあるので避けましょう。
便秘は犬にとっても苦しいもの。2日以上排便がない場合は便秘の可能性が高く、排便がある場合でも、量が少なかったり細かったりするときには、隠れ便秘の疑いもあります。便秘の犬のご飯には、サツマイモなどの食物繊維が多い食材がおすすめ。ただし、与える分量には注意が必要です。また、乳酸菌が含まれるヨーグルトなども良いでしょう。
涙やけは犬種によっても症状に差があります。涙やけの原因が、鼻涙管の異常にある場合は、添加物が詰まりやすくなっている可能性も。鼻涙管の閉塞を予防するには、食品添加物を使用していないフードがおすすめです。さらに、魚などの良質のタンパク質や必須脂肪酸などを含むフードや手作りご飯なら、犬の健康維持も期待できます。
犬の歩き方がおかしいときは病気が隠れている場合があります。一度受診してみて獣医さんに食事の指示を仰ぎましょう。歩き方がおかしくならないためには日頃より栄養バランスのとれた食事で肥満にならないようにすることも大切です。必要があれば獣医さんに相談してサプリメントの処方を受けることも予防の一助になります。
犬のどこが痛いかわからないときはまずは様子観察をしてみましょう。いつもと異なる場所や様子はないか、それがどれぐらい続いているかなど注意深く見ておくことがとても大切です。特にパンディングやグルーミングは比較的わかりやすいサインです。いつもと違うと感じたならできるだけ早く動物病院を受診するようにしましょう。
獣医師によって処方される療法食は、人間の薬と同じく、メーカーが研究を重ね、最新の獣医栄養学や臨床データを基に開発されています。獣医師は成分を把握しているので、安全で効果的な指導が可能です。
ワンちゃん・ネコちゃんの健康を考える時、フードには様々な選択肢がありますが、一般的には「動物病院でのみ取り扱っている療法食」を利用するケースがほとんどのようです。
ただし栄養に重きを置いているため、通常のフードに比べて嗜好性が低く、ワンちゃん・ネコちゃんが食べないことも多いのが難点。合成酸化防止剤が使用されていることもあり、飼い主さんの方針に合わないケースがあります。
獣医師への相談がなくても買えるのが、ペットショップやネット販売されている療法食。動物病院で取り扱っている場合もあります。高品質な材料にこだわっていて、嗜好性も高く、食べられやすい傾向にあります。
効果性の臨床データやエビデンスが公表されないので、基本的には獣医師のサポートは受けられないでしょう。きめ細やかな療法食を実践した場合は、取り入れるのが難しいかもしれません。
体調管理のサポートを目的として、栄養調整されたフードです。ペットショップやネットで簡単に手に入ります。防腐剤や科学物質を使わずに、ナチュラル系の素材で作られることが多いので、療法食を食べない時の補助食として利用できるでしょう。「療法食」のような完全な栄養調整食品ではなく、部分的な栄養補助食品なので、単体では食事療法としての効果を得られにくい場合があります。
飼い主さんが獣医師の指導のもとで手作りする食事です。市販のフードと違って、材料が何かわかるので安心して与えられます。獣医師の指示を守りながら作るので、安心して季節の食材や好みの味を取り入れられるでしょう。愛情をたっぷり込められるのも、手作りご飯の醍醐味。
手作りご飯は生の食材を使うので、市販のフードに比べると厳密な成分調整が難しくなります。多少なりとも栄養学について勉強したほうが、より安全なご飯が作れるでしょう。加えて、毎日の手間と根気強さが必要です。
第一に、必ず獣医師の指導を受けましょう。食事療法は体調や病状に合わせて、的確な指示をもらって実践するものです。
指示されたもの以外は与えてはいけません。食べ合わせや成分によって、思わぬ症状を引き起こす可能性があるからです。自己判断での中断、フードの種類の変更などは控えましょう。適切に指示された内容を実行することが、大切な家族の命を守ることに繋がります。
ただし、飼い主さんがどんなに意気込んで療法食を用意しても、勘の良いワンちゃんネコちゃんは拒否してしまうことも多いでしょう。人間でも、食べたくないものを食べさせられるのはかなりのストレスです。食事療法は、あくまで体調を良くすることが目的ですから、ストレスになるようなら無理強いはやめましょう。
食が進まない時は、獣医師に相談したうえでメーカーを変えてみたり、フードの硬さや温度を調節したり、好みの食べ物を混ぜてアレンジしてみるのも手です。
また幼少期から色々なフードや手作りご飯に慣れされておくと、万が一の時でも受け入れてくれやすく、効果的な回復のサポートが望めるでしょう。
目に見えないストレスは、人間にとってもワンちゃんにとっても健康を害する大敵です。人間と同様に、ストレスへの耐性は犬それぞれ。ストレスに強い子もいれば、極端に弱くてすぐ食欲が無くなってしまう子もいます。
老化も進行程度に個体差がありますが、加齢に伴って代謝が低下することで食欲が無くなるワンちゃんは、少なくありません。
フードを変えただけで見向きもしなくなるワンちゃんもいます。逆にずっと同じままだと飽きてしまう子も。お気に入りのおやつをあげると喜んで食べるようなら、食の嗜好によるものでしょう。傾向としては、大型犬よりも小型犬によくみられるようです。
ご飯を食べないだけでなく水も飲まない状態は危険です。病気が進行していて、水も飲めない状態かもしれません。原因としては、悪性腫瘍・毒素が全身に溜まる病気・重度の感染症・椎間板ヘルニアといった強い痛みを伴う病気が挙げられます。
ドライフードのような固形物を食べずに水だけ飲んでいる場合は、口の中に原因があるかもしれません。例えば歯周病から歯槽膿漏になると、固形物をかみ砕く際の痛みや歯がグラグラする違和感が食欲低下を招きます。口内炎による食事のストレスも、食欲不振の要因になりかねません。
嘔吐の症状は消化器が異常を起こしているサインです。胃や腸、すい臓などの炎症、異物を飲み込んだ可能性があります。
消化器以外に考えられる原因は、代謝に関わる臓器の異常。腎不全や肝不全など大きな病気が隠れているかもしれません。
下痢は腸の異常が引き起こす症状です。異物や腫瘍によって食べ物が腸を通過できない、あるいは感染症にかかり腸にダメージを受けた時、下痢の症状が現れます。食事を取らない状態で下痢が続く場合は、緊急性が高いのですぐに動物病院を受診しましょう。
食欲の低下とともに元気もなくなっている場合は、かなり深刻です。長期間続くと、病気の部位だけでなく全身の健康状態が悪化している可能性が高いので、すぐに動物病院で診てもらいましょう。
言葉が話せず、自ら不調を訴えられないワンちゃんにとって受診の判断材料は2つ。他に気になる症状はないか。おやつは食べられるかどうかです。
食べ物を変えても食べない、おやつや水すら口にせず、嘔吐や下痢などの不調が続く場合は、迷わず動物病院を受診してください。
いつも通り元気があり、ご飯は食べなくてもおやつは食べるならひとまず病気の心配はなさそうです。引き続き様子を観察してみましょう。
生活の変化や生活リズムを振り返ってみて、ワンちゃんのストレスの要因を特定しましょう。引っ越しや同居者の変化は、ワンちゃんにとって大きなストレスとなる可能性があります。飼い主さんとのコミュニケーション不足から寂しさを感じて、ストレスとなることも。近所に新しい犬が引っ越してきた、旅行でしばらく離れていたなど、周囲の環境の変化によって強いストレスを感じる子もいるようです。
まずはストレスの原因を取り除いてあげましょう。食欲不振でも、無理に食べさせようとせずに、食事に集中できる環境を作ってあげてください。なるべく食事にストレスを感じさせない配慮が大切です。
食事の好みが原因なら、食べ物を変更してみましょう。フードを変更したい場合は、今までのフードを混ぜて味に慣れさせながら徐々に切り替えると、ワンちゃんも受け入れやすいかもしれません。
おやつや好きな食べ物を食べたいがために、犬がフードを食べなくなるケースもあります。元気があって食べない時には、あえてフードをそのまま放置しておき、1時間以上たっても食べなければ片付けましょう。食べない間はおやつを与えるのもやめてみて、様子を観察してみてください。
加齢に伴う食欲不振は、食事を無理強いせず、見守りましょう。疾患が無いにも関わらず体重が急激に減るようであれば、少量でもカロリーを摂取できる高カロリーフードもおすすめです。
下痢や嘔吐を伴う食欲不振、水を飲まない状態に陥った場合は、すぐに動物病院を受診しましょう。獣医さんに「いつ頃から」「どういった症状が現れた」かを正確に伝えることで、原因の特定や病気の早期発見へつながります。
口腔内の疾患が原因の場合は、食べ物を柔らかくして食べやすくしてあげましょう。ドライフードをお湯でふやかす、柔らかく調節されたフードにするなど、歯や粘膜になるべく負担がかからないものを準備して様子をみましょう。
まずは原因を特定することが重要です。病気でなければ、食事の回数や量を調節する、運動させるなど、ワンちゃんのお腹が空くように働きかけてください。ストレスが原因の場合、生活環境の改善を行ってストレスを取り除いてあげましょう。
病気の場合は早めの対応が何より大切。動物病院で定期検診を受けることもおすすめです。感染症にかからないためにも、予防ワクチンを打つことが有効です。気になることはかかりつけの獣医さんに相談して、適切に対応しましょう。