人間と同じで、犬の脳にも腫瘍ができる可能性があるよ。脳腫瘍には、脳に腫瘍ができる「脳原発性腫瘍(のうげんぱつせいしゅよう)」と、ほかの部分から腫瘍が転移する「続発性脳腫瘍(ぞくはつせいのうしゅよう)」の2種類が存在しているんだ。
脳のどこに腫瘍ができるかで、症状が違ってくるよ。また犬の脳腫瘍は飼い主が気付きにくい病気なんだ。脳は体と心など、さまざまな機能に影響しているから、いろいろな症状が出るよ。
そのため他の病気と間違ってしまうこともあるんだって。犬の脳腫瘍は初期段階で発見することが治療への近道だよ。ここでは犬の脳腫瘍の主な症状を紹介していくね。
脳腫瘍の症状は良性か悪性かに関わらず、脳のどの位置に腫瘍ができるかで症状が異なるんだ。発症してもまったく症状がないこともあるし、てんかん発作や斜頸や旋回運動などの症状が出ることもあるよ。
また「異常な行動」「性格の変化」「常に眠そう」など、認知症に間違われるような症状が出ることもあるんだ。以下に症状をまとめてみたから参考にしてね。
脳に腫瘍ができて障害になると精神的な変化が見られることがあるよ。たとえば「臆病になった」「反応が鈍い」「怒りっぽい」などだよ。理由もないのに愛犬の性格が急に変わっちゃったら、脳腫瘍を発症しているかもしれないから気をつけてね。
目は脳神経によってコントロールされているよ。脳に腫瘍ができて障害を受けると、目に症状が出ることが多いんだ。たとえば、常に目が揺れている眼振(がんしん)や目が意図した方向以外のところを向く斜視(しゃし)などの症状が出るよ。普段から愛犬の顔や目をしっかり見ておけば、ちょっとした変化にも気づけるかもしれないね。
脳は体の平衡感覚もコントロールしているよ。脳腫瘍が発生すると、首が曲がったままになる捻転斜頸(ねんてんしゃけい)の症状が出ることがあるんだ。
顔に筋肉に関係している部分に脳腫瘍ができると、頭の筋肉が薄くなり、頭の骨が出っ張ったようになることがあるよ。普段から愛犬の顔を観察しておくと、気づきやすいかもしれないね。
運動を司る領域に脳腫瘍ができると、「後ろ足がふらつく」「一定方向に傾いて歩く」ことがあるよ。散歩の時に歩き方がおかしくないかチェックするが大切だね。
犬にできる脳腫瘍の原因はさまざまだよ。脳細胞が腫瘍化する「原発性脳腫瘍」をはじめ、悪性黒色腫の「メラノーマ」や悪性の「リンパ肉腫」などが転移することがあるよ。
また鼻や耳、頭蓋骨などの脳に近い部位にできたがんが脳に浸潤(しんじゅん)して起こる「続発性脳腫瘍」もあるから、原因を特定するのは難しいんだ。
これといった予防法がないから、定期的な健康診断による早期発見が有効なんだ。犬種によって発症率に差があって、ゴールデン・レトリーバーに発症率が高いんだとか。ほかにはブルドッグやボストン・テリアなどの短頭種も脳腫瘍にかかりやすいといわれているよ。
犬の脳腫瘍の診断はとても難しいんだ。まずは脳神経の病気かどうかを調べて、脳神経ならどの位置に起こっているかを特定しなければいけないよ。そして、そこが本当に腫瘍なのかどうかを調べる必要があるんだ。
また「脳腫瘍なのか」「脳のどの部位に発生しているか」を断定するには、MRI検査や脳脊髄液検査する必要があるよ。ただしMRI検査や脳脊髄液検査はどの病院でも実施しているわけではないんだ。
ほとんどの場合、大学病院や大病院で実施されていて、検査を受ける際には全身麻酔も必要になるよ。検査費用も高額になるから、そのあたりも踏まえて進める必要があるね。
若くて体力があるなら、外科手術に踏み切ることもできるよ。だけど腫瘍の位置によっては手術が難しいケースもあるんだ。手術したとしても、すべての脳腫瘍が取り除けるとか限らない…。
腫瘍に放射線を当てる「放射線療法」もあるけど、高度医療だから費用が高額になりがち。また抗ガン剤を用いる化学療法やステロイドを使った緩和療法が併用されることが多いよ。
あとは食事を調整することで、できるだけ予防を心がけることかな。糖質制限や良質な脂質を摂ることも重要だよ。つまり、健康的な食事にして病気に強い体づくりをすることが大切なんだ。