犬のからだにも人間と同じように肝硬変という病気があるよ。肝硬変とは、大事なからだの働きをしている肝臓が硬くなってしまうことで、本来の肝臓の働きができなくなること。肝硬変は肝臓の病気の中のひとつだけど、肝硬変といって、どんなものであるのかを知らない人も多いよ。
そんな肝硬変について説明するね。
肝硬変とはどんな病気なのかというと、肝臓病の一種の病気だよ。肝硬変という病気は、字のごとく、肝臓が「硬く」「変質」する病気のことだよ。慢性的に肝臓が炎症を繰り返し、肝臓に障害が与えられ、からだの中にある肝臓が線維化して硬く変質した状態のことだよ。肝臓には、肝細胞という肝臓を作っている細胞があって、この細胞が肝臓内にたくさんあり、肝臓のさまざまな働きしてくれてるよ。健康な肝臓はこの細胞で満たされているけど、肝硬変になってしまうと、肝臓の細胞なくなったり減ってしまい、これが繊維組織というものにかわるよ。
その結果、肝臓の仕事をしてくれる細胞が少なくなり、少ない中で肝臓の大事な働きをしなければいけないので、肝臓の働きが低下するんだよ。
そして、繊維化された肝臓は硬く変化して、弾力性が亡くなるよ。繊維組織は、コラーゲン繊維など、いくつかのタンパク質で作られて、肝臓には神経がなく、痛みを感じる臓器ではないため、すぐに気付かれないことも多いんだよ。
肝臓は沈黙の臓器と言われていて、悪化してはじめて症状が出たりするから、気づいたときには手遅れということもあるよ。
肝硬変が進行するにつれて肝臓の機能はどんどん失われていき、そのままにしておくと犬の命にかかわる可能性もあるよ。 早いうちにわかれば、それだけ命にかかわることは少なくなるよ。
実際、どういったところをみればいいのか?
肝硬変の初期の症状としては、元気がなくなるよ。それまでより元気に走ったり、飛び跳ねたりすることが少なくなり、関心を示さなくなることも多いね。動きが鈍くなったり、呼んだら来たりしていたのが動かなくなったりするからね。
肝硬変になるとからだがきつくなるから、活気がなくなるよ。また、食欲がなくなって、からだのだるさもあるけど、肝臓が悪くなるとさまざまな働きにも障害が出るよ。食欲がなくなるし、食べたものを吐いてしまったりすることもあるよ。お腹を下しているわけではありませんが下痢の症状が出ることもあるよ。そうした結果、口から食べ物を食べれず、嘔吐や下痢で排泄することによって必要な栄養が摂れなかったり、吸収できずに体重が減っていくよ。おしっこの回数が多くなることもあるよ。
食欲がなかったり、元気がなくなるというのは、肝臓が悪くなくても、食あたりや他の病気でも同じような症状が出るので、見ただけでは区別がつかないことがあるよ。そんなときは、すぐに病院で診てもらうことが大事だよ。
症状が進んでいくと、お腹に水が溜まってしまう「腹水」になって、お腹がふくれてくるよ。こうなると、胃やお腹が圧迫され、ますます食欲がなくなるし、吐き気が出ることもあるよ。尿が近くなることもあるからね。
また、犬の目を見ると、目の白目の部分が黄色っぽくなってくるよ。さらに症状が進むと難しい言葉だけど、肝性脳症(かんせいのうしょう)という症状が出るよ。この症状が出るころには病気がさらに進行した状態だよ。意識がもうろうとなったり、普段取らない行動をしたり、よだれが多くなったりするよ。ひどくなるとけいれんをおこしてしまうこともあるよ。
肝臓はからだに大事な栄養素を作ったり、からだの中に不要なものを解毒といってからだの中に出すものを作る働きもしているので、肝臓が機能しなくなると様々な症状が出てくるよ。
肝硬変は慢性的に肝臓に炎症を起こしたり、改善したりを繰り返した結果、肝臓に障害がおこることで進行するけど、その原因はいくつかあるんだよ。
慢性的に肝臓が炎症を起こす要因としては、もともと生まれもった遺伝性のものがあるよ。
犬の種類によっては、慢性肝炎を発症しやすい犬もいるけど、薬やなんらかの影響でからだの中に毒素が入り、肝臓に影響し肝臓をだめにすることが原因だったりするよ。
化学物質や毒素は肝臓で代謝されることがあるから、肝臓が毒素や化学物質にさらされていたら肝臓に大きな負担がかかるよ。また、肝臓ではからだを動かすための大事なエネルギーとして脂肪をつくりだし、肝細胞の中に蓄えるようになっていて、作った脂肪よりも使う脂肪の方が少ないと、そのまま肝臓の細胞に脂肪が蓄えられ、それがさらに蓄積していくと脂肪肝になるよ。この脂肪肝が原因で肝硬変になることもあるよ。
肝臓には神経がないから、痛みに気付かない。なにか障害があったとしても痛みなどを感じることがないんだ。
ある程度の症状が出ないとわからないことも多いよ。人間であれば、「具合が悪い・・・」と口でものをいうことができますが、僕ら犬はそうはいかない。普段から、早めに気づくためには飼い主さんの「いつもと違うな・・・」という気付きが大事になってくるよ。
そのためには、肝硬変になった時の症状をよく知っておくことが重要になるね。
早めに気づいてあげるためには、普段からよく犬の観察をしておくことが大事だよ。普段の表情やしぐさ、食欲、動作、元気さを観察しておけば、「なんか違う」なというのがわかるよね。
普段を知らないと、いつもと違うかどうかの変化に気付かないので、体調が悪いサインを見逃してしまうことになるよ。犬ではわからないので、飼い主さんだけが頼りだよ。
肝硬変かどうかをまずはみてもらうことが優先だから、病院で検査をして診てもらうことだね。採血やエコーや肝臓の組織を調べるなどの検査があるよ。
薬でコントロールする肝硬変と診断されて、薬が必要になった場合は、その時の状態にあった薬が出されるよ。この薬は症状を和らげる薬になるから、飼い主さんはしっかり薬を吐き出したりしないように飲ませることが大事だよ。
もし、肝硬変が進んでいって、お腹に水が溜まってしまった場合には、病院でお腹の水を抜く方法があるよ。あまり溜まっていないときには水を抜かずに、利尿剤を使って外に排泄する方法をされることもあるよ。だけど、溜まりすぎてしまい苦しそうにしているときにはお腹に針をさして水を直接抜く方法があるよ。
肝臓は大事な栄養素を作り出したり、解毒したりする臓器だよ。肝臓の働きが悪いまま普通のように食事を摂ると、肝臓に負担がかかってしまうので、消化にいいような食事の内容にして、それを一度に出すのではなく、朝昼夕といった感じに数回に分けて与えることが大事だよ。
飼い主さんができる一番の治療は毎日の食事だね。病院に行ったとき以外は家で生活をするから、飼い主さんの管理が大事になってくるよ。
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食事で気を付けること
肝硬変の進行具合によるけど、食事が制限される場合があるよ。肝臓でからだのもととなるものを作ったり、エネルギーとなるものを作るけど、肝硬変では肝臓で栄養素をうまく使えなくなるよ。肝臓の細胞の再生をするための手助けとしてタンパク質を必要として、その一方で、肝硬変の症状が重篤化すると、タンパク質を分解したときにアンモニアができず、高アンモニア血症という場内になる可能性があるよ。肝臓は解毒をするけど、アンモニアが解毒されずこういった状態になり、こうなるとタンパク質の制限することも必要になり、量をきちんと調整していく必要があるよ。
ジャガイモやゴボウなども、お腹の調子を整えるよ。
その他、良質のドックフードと組み合わせて栄養のある、バランスのいい食事を心がけること。
ゆでた鍋にごはんとコートミールと野菜を鍋に入れ、少し煮る。
沸騰したらそこに卵を溶いて、ほぐした白身魚を入れる。
食欲低下もあり、栄養が摂れないときには・・
肝硬変の犬はからだがきつかったり、吐き気がしたリ、下痢を起こしたりと症状があり、食欲が低下しているとこも少なくないよ。だけど、しっかりとした栄養を摂っていないとからだがますます衰弱しかねないからね。
そこでおすすめなのが、サプリメントを食事と併用することだよ。犬にも好き嫌いがあるけど、体調が悪ければなおさら自分の食べたいものしか食べないこともあるよ。バランスよく食べないといけないのに、炭水化物だけとっても栄養は偏ってしまうよ。そんな時、ごはんに混ぜたりしてサプリメントを摂れば、栄養がバランスよくとれることになるよ。サプリメントには、肝臓によいハーブを使ったサプリメントや肝機能を助けてくれるようなビタミンのサプリメントなどがあるよ。肝硬変にいい場合のサプリメントとそうでない場合もあるから、かかりつけの獣医に一度相談されるといいよ。