かわいくて仕方がない大事な猫が病気になった時には、食欲はなくなるし、元気もなくなるしで、かわいそうでどうしようもないよね?
なにか飼い主としてできることはないかと一生懸命考えるよね。病気になった時はまずは、病院に連れて行くのが先決だけど、病院で診てもらった後は、飼い主さんのケアや栄養管理が大事になってくるよ。ここでは病気の時の食事について紹介するね。
病気になると普段よりも体力を消耗するから、早く栄養を付けて元気になってもらうためにも食事が重要だよ。人間もそうだけど、猫も体調が悪いときには、栄養があるからといって嫌いなものまで食べようとはしないよ。ただでさえ気分もよくないし、食欲もないから、好きなものをできるだけ食べさせるようにしてくれると助かるね。
好きなものや食べれるものを普段から把握しておくことが大切だよ。
エネルギーを消耗しているから、高品質でカロリーがあるものをあげるといいね。ただし、病気によっては、食べさせてはいけないものや、食べ物の内容、カロリー制限のあるものもあるよ。からだに必要な栄養素は、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルだよ。栄養素もしっかりとる必要があるけど、同じビタミンの中でもこの病気の時はこのビタミンはいいけど、この病気の時は摂ってはダメという時があるよ。
獣医にきちんとどんな栄養を摂った方がいいかを確認したうえで、その状態にあった適切な栄養を考えて作ってあげるといいよ。
猫の糖尿病には、血糖値のコントロールがもっとも重要なポイントになります。消化のよいフードの場合、一度にたくさん食べすぎると血糖値が急上昇する可能性があるため、少量に分けて与えるのが良いでしょう。
半生タイプのキャットフードの場合、ブドウ糖が固形タイプよりも多く含まれているものがあるため、できるだけ与えないようにします。
フードは既製品・手作り食に関わらず繊維質を多めに添加し、排泄をスムーズにして血糖値の上昇を防ぎましょう。また、タンパク質やビタミン、ミネラルなど猫の健康に重要な栄養素もしっかりと含む食事を与えましょう。
猫の胆泥症・胆嚢炎については低脂肪食が基本となります。高カロリー食は避け、低カロリーのヘルシーなフードを与えるようにします。
手作り食として与える際には、難消化性の食材は使わないように心掛けましょう。
肝炎を引き起こしている猫については、原因の究明と肝臓の回復が第一となります。体力を維持しつつ、肝臓のケアも忘れずに行わなければなりません。
輸液などを通して治療を続けながら、肝臓に負担をかけない食事を与えるようにします。栄養価が高く、脂質の少ないフードが理想的です。
猫の皮膚病は、犬と同じく環境や遺伝的体質、アレルゲンなどさまざまな原因から引き起こされます。まずは皮膚病の原因を突き止めること、次にアレルゲンを含む食品を与えないように注意します。
添加物の多い食品は猫の皮膚病を悪化させる可能性があるため、無添加タイプのフードもしくは手作り食にするなどして、添加物ではなく栄養をしっかりと摂取できるように工夫すると良いでしょう。
猫の口内炎や歯肉炎は、噛む力を弱らせる口腔内の病気です。歯磨きや歯石の除去など、動物病院での受診を行いながら、柔らかく飲み込みやすいフードを中心に与えるようにしましょう。
咀嚼力がついてくれば次第に固形のフードを与え、噛む力を付けさせてあげます。すでに歯肉炎が進行しており歯が抜けてしまっている場合は、半生タイプのフードや、柔らかく煮込んだ手作り食などに置き換えるようにします。
猫の肝臓病は、進行度や程度によって対応方法が変わるため、獣医師の指示にしたがうようにします。進行度によっては、肝臓病用のフードも必要となります。
手作り食の場合良質なタンパク質やビタミン、ミネラルなどを含んでいる必要がありますが、手作りが難しい場合は既成のキャットフードでも問題ありません。
腎不全の猫に対しては、塩分の多い食事や高カロリー食などは避けましょう。半生タイプや濃い味のおやつなどは避け、腎臓病用のフードを使うようにします。
猫は味の好き嫌いがはっきりしているので、腎臓病用のフードを敬遠する場合がありますが、その際は通常のキャットフードに腎臓病用食を混ぜ込むなどして工夫すると良いでしょう。
癌を患っている猫への食事としては、犬と同様にしっかりと体力・免疫を付けさせてあげることが第一です。
すでに痩せており、体力が著しく減少している場合については、栄養価の高い食事を中心に、猫の好きなものを与えると喜んでもらえます。
おやつなどのように嗜好性が高い食品だけを与えすぎないように注意したいところですが、体力をしっかりとつけて延命をさせてあげることが、癌を抱える猫にとっては最善の治療方法となります。
関節炎を抱える猫については、動物病院で処方されるコンドロイチンやグルコサミンなどのサプリメント・粉末をフードに混ぜて与えるようにします。
また、猫は犬と違って長距離を移動しない動物なので、食事や嗜好品による肥満にも注意が必要です。肥満は関節炎を悪化させる原因となりますので、ローカロリーの食事なども定期的に与えると良いでしょう。
目やにが出る場合については、体質的なものか、環境によるものかによっても対応が異なりますが、添加物の多いキャットフードは避け、無添加タイプのものもしくは添加物の入っていない手作り食などを与えるようにします。
肝硬変の猫に食べさせる食事としては、肝臓の健康を維持するため、良質なタンパク質やミネラルを含んだフードを与えるようにします。
肝硬変が進行すると腹水が溜まるなど、さまざまな症状が出てくるため、ナトリウムの制限も必要になります。獣医師と話し合いのうえ、症状に応じてフードを替えるなどの工夫が必要です。
肝不全を抱えている猫に対しては、高タンパクの食事はかえって肝臓に負担を与えてしまう可能性があるため、タンパク質制限を行う必要があります。
肝不全の進行度にもよりますので、獣医師の指示に従ってフードを選ぶようにしてください。
脂肪肝の猫については、肥満を進行させないように注意が必要です。同時に肝臓への負担も減らしていきたいので、ビタミンやミネラルなど基礎的な栄養素についてもしっかりと摂取できるよう、ローカロリーでも栄養価の高いキャットフードを与えるようにしましょう。
夏バテになると、人間と同じように猫でも食欲は低下するもの。食欲不振に任せて栄養不足・水分不足に陥ってしまっては、熱中症に発展してしまうリスクもあるので、しっかりと栄養補給・水分補給をさせなければなりません。
夏バテで食欲不振の猫には、いつもとは味や食感が異なるメニューを与えてみると良いでしょう。ドライフードを常食としている猫には、ウェットフードなどを混ぜてみると、猫は興味を示して食欲がわいてくるかも知れません。
夏は食べ物が傷みやすいので、食べ残しはなるべく早く処分するようにしてください。
一般に動物が膵炎にかかった場合、高脂肪食は症状を悪化させる要因になると言われています。猫の食事管理についてもこれに準じ、低脂肪食に切り替えることが食事管理のベースとなります。
また膵炎は、肥満を原因に症状が悪化することが知られているため、太り気味の猫には減量が必須です。食事管理で適正体重まで落とし、以後は太らないように、飼い主さんがしっかりと食事管理を行なうことが大切です。