猫の肝臓病とは、何らかの影響で肝臓に障害が起こる病気のことだよ。いくつかの種類があるよ。肝臓はからだの中でとても重要な働きをしているよ。24時間ずっと働いて不要になったものや有害な物質を解毒して無毒化したり、エネルギーとなる栄養素を作り出そうとしているから、病気を知る上では、まずは肝臓の働きを知ることからだね。
肝臓の働きにはどんなものがあるかといえば…
肝臓はからだの中では最も大きな臓器だよ。自分で再生する力を持っていて、全身にかかわる働きをしているよ。食事によってとられた栄養素は、栄養素に応じて消化酵素の働きで分解、同化されるよ。それが形を変えて腸から吸収されて肝臓に入ってくるよ。肝臓ではそれらの栄養素のかたちをかえたり、栄養素をためたりするよ。炭水化物であれば、グルコースという形に変えてためておき、エネルギーとして必要な時に血中に放出するよ。その他、タンパク質や脂質も形を変えるよ。筋肉や皮膚、血液をつくるときに重要になるよ。
それで、肝臓で作られた不要なものを流すための胆汁というものをつくって、膵液とともに働き脂肪の吸収をしやすくするのに使われるよ。また、薬や不要なものを分解してからだに悪影響がないようにしてくれるんだよ。ケガをしたときに出血しないようにしてくれる血液を固まる因子や血液の中にある摂家級にかかわる仕事もしているよ。
多くの大切な働きをしている肝臓ですが、さまざまな肝臓病にかかるとこれらの働きができなくなったり、働きが弱くなったりして、全身に悪影響が出たり、障害が起こるよ。
肝臓の病気の種類や原因、特徴は異なりますが、ほとんどの病気が肝臓の本来の機能が障害される病気なので、共通する症状があるよ。その共通する症状をいくつか紹介するね。
白目や歯肉が黄色くなることを黄疸というよ。黄疸は、肝臓の機能が低下して、ビリルビンという血液中の色素の濃度が高くなったときに初めて出てくるからね。このビリルンは通常なら胆汁内へ出されますが、脂肪肝によって正常な肝臓の働きができない場合は、排出する力が弱くなるため身体症状として現れるよ。
肝臓の病気になるとからだがきつくなるので元気が出ないよ。食欲もなくなるため、そこからの元気のなさとみられることもあるよ。食欲がないと体重が減るけど、炎症や癌の場合は消耗するエネルギーが大きかったり、癌に栄養がもっていかれることもあり、末期の状態であれば顕著な体重減少がみられる場合もあるよ。
これらの症状は、肝臓の病気に限らず、他の原因や病気で体調がすぐれないときにも同様の症状が出るものもあるよ。肝臓の病気かどうかを判断するには、早めに病院へ行き、きちんと検査をうけることだね。肝臓病でも共通する症状が多いため、からだの中を調べないことには判断が難しいよ。病気は初期であればあるほど、早めにわかれば、わかるほど選択できる治療は多いですし、治る確率や悪化を防ぐこともできるよ。
飼い主さんの日頃の観察力が早期発見につながるから、普段からしっかり観察しておくようにすることをおすすめするね。
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猫の肝臓病の種類とその原因や特徴は急性肝炎・慢性肝炎というのがあるよ。
急性肝炎は、細菌や毒素、ウィルスなどの感染によって肝臓の細胞が炎症をおこし、細胞が死んでしまったりして、正常な肝臓の働きができなくなる病気だよ。その他にも外傷や肥満などの食生活によるものもあるよ。急性の場合は半年以内に発症し治る病気のことをいうからね。急性肝炎は完治することがありますが、急性肝炎が完全に治らない状態で肝炎を繰り返した場合には慢性肝炎に移行する場合があるよ。慢性肝炎になったときには、病気が進行していたり、さらに進行した場合には肝硬変になってしまうので注意が必要だよ。
肝硬変 |
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肝硬変は説明した通り、肝炎の末期の状態でもあるよ。肝臓の細胞が死亡したり、炎症を繰り返す中で、肝臓がかたくなり、細胞が線維化してしまい肝臓の働きができなくなってしまうよ。肝炎以外にも先天性のものであったり、化学物質や毒素が原因であることもあるよ。 |
脂肪肝 |
肥満の猫に多く、消費する脂肪より摂取する脂肪が多いため肝臓に脂肪が多くなり、肝臓の細胞が脂肪に脂肪がたまってしまうと脂肪肝になるよ。人間だとメタボリックシンドロームといわれているね。放置しておくと肝硬変になってしまう恐れがあるよ。脂肪肝の症状が見られたら病院で診てもらうことが重要だね。 |
肝臓癌 |
肝臓の細胞が癌に侵される病気だよ。遺伝やさまざま要因によって癌は発症するよ。肝臓はもともと「沈黙の臓器」といわれるだけあって、初期の段階ではほとんど症状が現れることがなく、進行してから見つかることも多いよ。癌の種類にも肝臓から発生した癌は原発性の癌といわれ、別のところで発生した癌がなんらかの流れで肝臓にたどり着いてそこで増殖した癌があり、これを転移性癌というよ。癌の種類によっては治療法が全く異なってくるよ。 |
肝臓病の検査の結果、異なる治療法になる
採血検査や超音波検査、X線レントゲン検査、針生検、排膿検査などがあるよ。採血をするにしてもどの検査項目をチェックするのかなどは、その時の全身の状態などをみてどの検査をするかは獣医が判断するよ。
肝臓病にはいろいろあるから、原因と症状をしっかり把握して治療法を考えて、一番ベストな治療法を探すよ。食べ物なんかはとくに注意して選んで、食べさせることになるからね。それから、実際に食べてくれるように工夫が必要だし、弱っていたら食べれないこともあって、どんな方法がいいか相談して、体調をみての判断になるよ。
肝臓の病気は肝臓の負担を軽減するために、安静にしたり、場合によっては絶食が必要になるよ。病気によって、治療方法はさまざまであり、ひとつの病気でもいくつも治療方法がある場合があるよ。
猫の肝臓病の治療で共通するとても大事なことは食事療法だね。肝臓は栄養を司る大事な場所だから、バランスのよい食事をしっかり摂って栄養を全身に送り、機能することが大事だよ。ただし、肝臓病によっては絶食や食事制限があるものあるので、獣医に相談してね。
食事の回数は、一度ではなく数回に少しずつ食べられるよう分割食にしたりするよ。こうすることで肝臓への負担を減らせるからね。
高タンパクのものを摂るようにしてね。肝臓病になるとタンパク質が不足しがちになるので、品質が良いタンパク質をあげてね。食欲がない猫には好きな魚や肉からタンパク製品を摂るようにしてあげてね。ここで注意するのが、アンモニアを作る原因となるようなタンパク質は避けるようにしてね。摂りすぎはよくないけど、牛乳、魚などの動物性タンパク質と納豆などの大豆製品の両方を適量に摂れたら必須アミノ酸が不足しません。
炭水化物はできるだけ消化にいい食材を選んでね。
肝臓病ではビタミン不足になりがちなので野菜を取り入れてビタミンを摂るよ。食物繊維も一緒に摂れるよ。食物繊維をとると便秘にならずアンモニアが体内にたまるのを防いでくれるよ。あまりにも繊維が多い野菜は逆に便秘を招いてしまうことがあるので、注意が必要だよ。ミネラルである亜鉛やアルギニンは肝臓の機能の改善などに役立つよ。
どの栄養素も過度にとってしまうとよくないけど、バランスよく毎回とるには飼い主さんの準備が大変だよね。仕事をしていたりすると準備もさらに大変だよね。
満遍なく栄養とカロリーを考えた時には、猫用のサプリメントを食事と一緒に食べてもらうことだね。肝臓病用のサプリメントがあるし、必要な栄養素に応じたものがあるよ。
鳥胸肉は、皮をむいて茹でる
きゅうりを1cm角に切り、タレを加えずに混ぜた納豆と和える
一口大に裂いた鶏肉とすりごまを加えて混ぜる