僕ら犬は人間と同じで、年をとるごとにだんだん歯と歯茎が弱くなっていくんだ。 人間でいうところの60歳以上の老犬(10歳程度)にご飯を用意する時には、若い頃と同じカリカリや硬いご飯では食べづらいと感じることもあるし、飲み込みにくい場合はご飯を食べるのも一苦労。
それじゃあ早速、老犬のご飯について注意したいポイントを見ていこう。
せっかく用意してくれたご飯だから、僕らも美味しくいただきたいけれど、歯のトラブルがあるとそうもいかないんだ。 歯が抜けて無くなってしまったり、部分的な欠けやぐらつきがある子もいるから、飼い主さんは口の中の様子をみながら、それぞれの子の状態に合ったご飯を用意してあげてね。
人間も年をとるごとに柔らかく消化に良いものを食べるように、僕たち犬も食べやすい食事の方が美味しく、安心して食べられるよ。 食事量は若い頃ほど多くなくても良いけれど、食べやすさにだけはこだわって、柔らかくふやかしたドッグフードやパウチ、スープ食などを取り入れてみてほしいな。
手作り食をつくる時などにぜひ取り入れてほしい栄養素が「ビタミンC」。市販のドッグフードにも、ビタミン類を豊富に配合したものがあるから、手作り食にしない場合はそちらを試してみてね。 ビタミンCをはじめ、体を構成するビタミン類はアンチエイジングに欠かせない栄養素。年をとった犬にとっては、たくさんご飯を食べることができないので、栄養価の高いご飯が命綱になるんだよ。
犬の健康に良い野菜のうち、ビタミンCを多く含む食材は「キャベツ」。ただし加熱するとビタミンが壊れてしまうので、加熱をしないで食べやすい大きさに切って与えるのがベスト。 アンチエイジングに良いと言われる「DHA」や「EPA」などの栄養素も、老犬にとっては大切な栄養素。
こちらは青魚に多く含まれているので、手作り食やドッグフードのトッピングなどでプラスしてもらえると嬉しいな。ただ、魚には小骨など小さな骨がたくさんついているので、きれいに取り除いて身だけにしてから与えるようにしてね。
食欲が落ちてしまった子には、できるだけたくさん食べて長生きしてほしいと思うよね。でも、たくさん与えればすぐに健康になるわけではなくて、少しずつでもいいからこまめに食べられるように工夫してみよう。 ドッグフード、手作り食、スープなどいろいろな食事メニューを取り入れながら、どれが愛犬にとって一番ベストか見分けるのも一つの方法。
長年ドッグフードに慣れている子だと、いきなり手作り食やスープを出しても食べてくれない可能性があるので、時間をかけていろいろな食事をプラスしてみよう。 それでもご飯を食べてくれない場合は、風味やうま味をプラスするトッピングを使う方法もおすすめだよ。 トッピングは少し味付けを濃くするものや、良い香りで食欲をそそるものなどがあるので、愛犬の口に合うトッピングを探して、いつも食べているフードに少しだけ足してみてね。
老犬になると、それぞれの体質や犬種によってはいろいろな病気にかかることもある。そんな時はまず病院で症状をチェックして、必要に応じて病気療養用の食事を与えてあげよう。
たとえば、腎臓が悪い子には塩分の濃い食事はNG。手作りにする場合は食材に含まれる塩分にも要注意。市販のフードも、味付けの濃いものは避けて、腎臓病に特化したフードを選んであげてね。