猫の呼吸器は人間とほぼ同じ構造をしているよ。鼻の穴から喉を通って首から胸部にかけて気管という空気の通り道があるんだ。そこから左右の肺に別れる部分が「気管支」だよ。ここに炎症が起きると気管炎や気管支炎になるんだ。
代表的な症状として咳が挙げられるよ。猫の咳は「のどの奥に何かが引っかかってむせ返る」というような感じ。「カッーカッー」という音のイメージだね。ここでは、猫の気管支炎について紹介していくよ。
猫の気管支炎が発症するのには、さまざまな因子が関与するといわれているよ。主な原因は感染症・寄生虫症・異物の誤飲吸引・揮発性有機化合物の影響なんだって。ほかには細菌や真菌が二次感染することもあるよ。
たとえば、猫ウイルス性鼻気管炎や猫クラミジア感染症、マイコプラズマ感染症などが気管支に入って炎症を起こすんだ。フィラリアや毛細線虫などの線虫類の幼虫が気管に入り込むことがあるよ。
目に見えない状態で漂う揮発性有機化合物(常温で蒸発、気体になる有機化合物)や埃・花粉なども気管支を刺激してしまうんだ。このように気管支炎になる可能性はたくさんあるけど、原因を特定するのはなかなか難しいよ。
猫の気管支炎の典型的な症状として「咳」「呼吸困難、」「運動を嫌がる・動かない」ことが挙げられるよ。また軽い咳から、呼吸困難まで程度はさまざま。重篤化すると咳をしただけでお腹が圧迫されて嘔吐することもあるよ。
ほかにも口を開けて苦しそうな呼吸やチアノーゼ(粘膜が紫色になる)の症状が出ることもあるんだ。ひどいときは呼吸困難により失神したりすることも。以下に症状をまとめたから参考にしてみてね。
猫の気管支炎は基礎疾的な原因を取り除くことで治療するよ。治療法として。炎症を抑えるためステロイド剤を使う「抗炎症療法」、気管支拡張剤を内服する「内科的治療」が主流なんだ。また咳の症状をやわらげるために酸素吸入や蒸気吸入器などを使うこともあるよ。
また治療中は十分な栄養を摂って温かい部屋で安静が必要なんだ。アレルゲンの少ない栄養たっぷりの食事を食べさせてあげてね。咳を抑えた後も咳が出ないようコントロールすることが大切だよ。咳が治まっても投薬を止めずに獣医師の指示を守ってね。
予防としてアレルゲンや冷たい空気、煙草の煙など刺激物質を接触させしないようにしてね。また呼吸器疾患の定期的なワクチンを接種することも大切だよ。
だけど刺激物などの特定は困難だし、完全に刺激物質と接触しないことは難しい…。猫の様子をこまめに観察して早期発見と治療を心がけることが重症化を防ぐポイントだよ。